生誕100年 佐藤多持展 前期展

2019年4月2日~2019年5月12日【カテゴリー】絵画
果てしなき運動体
開催日2019年4月2日~2019年5月12日
開催時間10:00~18:00
主催公益財団法人 たましん地域文化財団
問合せたましん歴史・美術館:042-574-1360
美とは自然と人生との根本のものの現れなり
熱と力をもって完成せよ
1942年 佐藤 保

2019年で生誕100年を迎える佐藤多持(1919-2004)は、1919年、東京府北多摩郡(現・国分寺市)の真言宗観音寺住職の二男として生まれ、画家を志し東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科へ進学します。41年に繰上げ卒業し応召しますが、演習中に右手を負傷し除隊。43年からは立川市の昭和第一工業学校(現・昭和第一学園高校)へ勤めながら、色紙に《戦時下の絵日誌》を描き、戦後は旺玄会に油絵を、日本アンデパンダン展(読売新聞社主催)に日本画を発表。1949年、友人と訪れた尾瀬で、生涯のモチーフとなる“水芭蕉”との啓示的な出逢いを果たします。
その後、50年代には水芭蕉の形態を純化し、形象的表現から抽象へと向かいます。公募展から離れ57年に美術グループ「知求会」を結成し、以降中心的な発表の場とし、61年に代表作である《水芭蕉曼陀羅》を初めて発表します。作品形状は空間の拡がりを意図し二曲屏風、六曲屏風へと展開し、いつしか画面から水芭蕉の形は消え、空間を躍動する線と円の運動により、自然や人間に内在する“宇宙”を描く独自の抽象墨画表現へと至り国内外で評価を得、2004年に85歳で生涯を閉じるまで創造の変奏は続きました。 本展は、初期~60年代を通期、前期展は70~80年代、後期展は90年以降を中心とし、《水芭蕉曼陀羅》と、ドローイングや色紙、初期作品ほか写真・画材など 関連資料により、生涯の芸術表現の変遷を辿ります。また本展にあわせ、1980年に完成・奉納した生家・観音寺の水芭蕉曼陀羅36面襖絵の特別公開、青梅市立美術館、画廊『岳』、ギャラリー国立、コート・ギャラリー国立、たましんギャラリーで同時企画展も開催します。
「描いているすべては宇宙の運動体の一部であり、その軌跡」だと画家は語り、どこまでも果てしなく続く運動体は、鑑賞者を無限の宇宙へと誘います。具象―形象―抽象―心象へと進化した佐藤多持の芸術表現の軌跡を、ぜひご体感ください。
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申込方法等

料金入館料:300円(中学生以下無料、障がい者手帳をご提示の方及び付き添いの方1名は無料) 

会場

会場たましん歴史・美術館

問合せ先等