「Visual-lines 3つのインスタレーションへのまなざし」 望月厚介+清野耕一+作間敏宏

2017年5月11日~2017年6月4日【対象者】限定なし, 【カテゴリー】芸術,絵画,彫刻,工芸,その他・芸術,文化,その他・文化
開催日2017年5月11日~2017年6月4日
開催時間12:00~17:00
主催宇フォーラム美術館
問合せ宇フォーラム美術館:042-580-1557
今回、望月厚介、清野耕一、作間敏宏 三氏の展覧会を開く。この三氏の共通点とは何か。今の日本には数少なくなったインスタレーションの作家であることだ。もちろんこの三人の作風は違う。それぞれ個性があり、独自性があり、その部分に注目すべきだ。この三人が同時に展覧会をすることの意味を注目したい。

・望月厚介は、世界で活動する版画家であるが社会派ともいえるスタンスの作品も作ってきた。東北大震災で福島原発がメルトダウンしたが、その前に原子炉が融解し燃料集合体が格納容器を溶かして流れ出る様をイメージした不気味な赤と黒の作品を作った。そしてその予言は不幸にも現実化した。不幸といったが、この事故は起こるべくして起きたからその意味で社会批評でもある。(求められる耐震性の改善は無視された。)

また、そうした想像力は、芸術家としての想像力にもつながるのかもしれない。一方、その後の版画は、独自の手法によりモノタイプ的に版画というより絵画的になっていく。そして、光やLED電光掲示板を使ったインスタレーションにも力を入れていて、当館でも展覧会をしている。



・清野耕一は、早稲田大学を卒業した後、美学校、銅版画工房で版画家を目指した。その後、文化庁新進芸術家海外留学制度によりカナダに留学後、世界各地で版画の作品を発表している。ちなみに、今までの展覧会のテーマは「生と死の間」、「潮流惑星」、「満潮」、「葉緑体」、「原形質」、「進化」、「受精」、「生命体」などというように有機的なものだ。有機体は図形的であり色彩的であり、それが作品のイメージと連なる。昨今の作品は傘状の円形にカラフルな彩色を版画の手法で施したもの。三次元の造形にそれぞれ独自の模様があり、まるで作品は生物のようだ。そしてそれらはまるで回転運動しているような錯覚を見る人に陥らせる。当館で行われた日ベルギー国際版画展にも参加された。



・作間敏宏は、東京芸大を卒業後、1903年にアジアン・カルチュラル・カウンシルの助成によりニューヨークに滞在。1998年にニューヨークで「colony」というインスタレーションの個展をしている。日本人の名前をテーマとした名札のインスタレーションや木・家具によるインスタレーションなどの展覧会歴がある。Colonyとは何か。「群・棲」という主題で、生命の単位を考え、それらが集合(接着)して社会が形成され、あるいは死となり交換される、ことのようだ。また、電球を光らせたインスタレーションは治癒(healing)という。多くの光(電球)が空間を埋め尽くす。それは一つ一つの生命の象徴でもあるのだろう。

この三人は生命という人間にとって根源的な問題に挑んでいる。(いずれも写真は今までの作品であり参考)
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申込方法等

料金入館料:一般300円/会員無料


     

会場

会場宇フォーラム美術館

問合せ先等

プログラム

レセプション
5月13日、16:00~18:00